ノールーズの文化的背景

前回記事に続いて、今日はノールーズの文化的背景についてもう少し触れてみたいと思います。

イランでは、春分の日が1月1日で、太陽が春分点を通過する瞬間に年が変わります。
イランと言えばイスラム国家のイメージが強いのですが、ノールーズはイスラム教とはほとんど関係なく、古代ペルシアの宗教であるゾロアスター教(拝火教)の儀式と伝統が元になっています。

ノールーズはイランだけでなく中央アジアでも広く祝われ、ソビエト連邦から独立した中央アジア5か国ではいずれも国家の祝日となっています。トルコではクルド人の祭日として知られています。

さて、私が一生懸命作った金魚は、この「ノールーズ」のお正月飾りの一つです。
(本当は生きた金魚を飾るそうなんですが、飼育してませんので…)

image

ノール―ズのお正月飾りは、ハフト・スィーン(Haft Sīn:7つのS)と呼ばれ、頭文字がスィーン Sīn で始まる7つのものを集めて祝われます。
代表的なものとしては、リンゴ(sīb、سیب)、ニンニク(sīr、سیر)、酢(serke、سرکه)、コイン(sekke、سکه)、スーマックの実(Somāq、سماق)、青草(sabzeh、سبزه)と甘いプディングのサマヌー(Samanu、سمنو)があります。
そのほか、鏡、ろうそく、卵、金 、金魚などの縁起物も一緒に並べる。コーランを飾る人もいます。

冒頭の写真は、昨年度のスタジオハフラでのお正月飾りです。

今年も、春分の日にスタジオのみんなと一緒に踊り、食べ、飲み、おしゃべりをして、そして一年の幸せを願いたいと思います。