ザガリートを知る

先々週イベントが終わり、新しい曲の振付に入りました。


今回使用する曲の一つには「ザガリート」(アラビア語でزغاريت )と呼ばれる独特の掛け声が入っています。(振付では掛け声は出しませんが、その動作を踊りに入れてみました。)

ザガリートは、ベリーダンサーなら馴染みのある掛け声かもしれませんよね。ハフラ(パーティー)やイベント、発表会などで場を盛り上げるためによく使われてますから。

今回はこの「ザガリート」の文化的背景について書いてみようと思います。

ザガリートは英語ではウルレーション(鳴き声)と言い、強い感情を表すために用いられます。ウルレーションがみられる地域は中東・北アフリカ、中央アジア、南アジアなどで、冠婚葬祭、踊りの中など、いずれも感情が高揚するシーンに登場します。

ベリーダンス界では楽しい雰囲気を作るためにみんなで「レレレレ!」と言うので歓喜のイメージが強いですが、悲嘆といった負の感情を表現する場合もあります。

私がザガリートに出会ったのは大学生の時。パレスチナを舞台にした「ガリレアの婚礼」という映画でした。

娘の結婚の相手が決まったことを夫から知らされた女性が発したのが、ザガリート。

その甲高いさえずりに、まるで木霊のように近所の女性たちがザガリートで返し、祝福する。

こんな感情表現があるのか、とカルチャーショックを受けたことを覚えています。

ベリーダンスシーンにザガリートが欠かせないのも、もしかしたらベリーダンスは結婚式に欠かせない踊りだったからなのかもしれないですね。

(今回の写真はイスラム教の結婚式を挙げられる花嫁さんに私が描いたホワイトヘナです。)