オスマン古典音楽への招待

写真で振り返ります発表会、今回紹介しますのは「やさしい中東音楽デュオ」のお二人、ウエダタカユキさんと矢島夕佳里さんです。

プログラム13 「Mahur Saz Semai」 (オスマン古典音楽)

「オスマン帝国」。高校で世界史を履修していた人は、有名な皇帝や当時世界最強だった軍隊名など、必ず暗記させられましたよね(笑)。

機械的にワードを覚えて終了、じゃあ勿体ない。当時世界最強だったオスマン帝国が統治した時代は、さまざまな地域の文化が集積し花開いた黄金期でもあったようです。

ウエダさんと矢島さんに演奏していただいた「Mahur Saz Semai」はそのオスマン時代に活躍したギリシア人、ニコラキという名の作曲家の作品です。古典音楽なのに、明るいメロディーで気に入ってしまい、今回の発表会での演奏をリクエストしました。

オスマン帝国が支配した地域は今、複雑な問題を抱えていて紛争にもなっています。私はそれぞれの国にルーツのある人たちと、とても親しくしているので…。心配もしているし、関心も寄せているのに、それを言葉にすることができないのです。

だけど、お二人の演奏に耳を傾けると、「国境」とか「宗教や思想の違い」なんてあっけなく溶けて消えていってしまいます。そういう「差異」に寛容だった時代の音楽だからかな。

演奏の後、民族楽器の紹介もしていただきました。

洋ナシ型の小さな楽器はケメンチェ(リラ)。イスタンブールの古楽器です。

琵琶のような楽器はウード。
とても歴史の古い楽器で西洋に渡ってリュートになり、東洋に渡って琵琶になったそうです。

去年に続き、今年も素晴らしい演奏を有難うございました!!