ベリーダンスのあのうねるような動き、ルーツは出産の動きである。
私がベリーダンスにとても惹かれたのは、あの独特の動きのルーツは出産にある、ということを耳にしたからでした。
Farab Firdoz(サウジアラビアのダンサー)によれば、ベリーダンスのルーツはbirth dance(出産の踊り)であり、彼女の祖母の部族では、出産中の女性の周りに部族の女性が集まり、出産の痛みを和らげるためにベリーダンスの腹部の動きを妊婦と一緒に行ったのだそうです。
また、1900年代初頭に活躍したアルメニア人ベリーダンサーArmen Ohanianは手記の中でベリーダンスについてこのように述べています。
“It was our poem of the mystery and pain of motherhood. In Olden Asia, which has kept the dance in its early purity, it represents maternity, the mysterious conception of life, the suffering and joy with which a new soul is brought into the world.”
拙訳ですが、下記のように日本語訳してみました。
「(ベリーダンスは)母性の神秘と痛みを詠ったもの。古きアジアにおいては、この踊り本来の純粋さが失われずに残っていた。それは母性、生命の神秘、新しい命を世に送り出す苦しみと喜びを表してきたのだ。」
…私はベリーダンスのルーツを調べたくてニューヨークにある舞台芸術専門の図書館に通ったのですが、これらの記述を見つけたとき、泣きそうになりました。
それは、探し求めていた文献に巡り合えた感動と、ベリーダンスにどうしてこんなに惹かれるのか、という答えに出逢ったからです。
この図書館では様々な文献に出会い、ベリーダンスの歴史を調べることができました。
そこでわかってきたのが「ベリーダンスのもう一つのルーツ」です。
そのことについては、次の記事「地母神・女神信仰とベリーダンス」で触れたいと思います。
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