前回の記事では、太古の女神信仰がベリーダンスのルーツの一つである可能性について触れました。
では、太古の女神さまを祀る神殿ではどんな踊りが奉納されていたのでしょう?
エフェソス(現トルコ)のアルテミス神殿では、Kordaxと呼ばれるヒップや腹部を強調した踊りが踊られており、また、アフロディテ神殿の女神官のソロダンスはChifte Telliと呼ばれていました。
この”Chifte Telli”という言葉は、現在でもギリシャやトルコで「ベリーダンス」を示す言葉として使われている他、ベリーダンスではよく使われるリズムの名前にもなっています。
また、古代文明の栄えたギリシャのクレタ島では、”Maze Dance”と呼ばれる蛇の動きを模した踊りがありました。
「蛇」は脱皮を繰り返して成長することから、古代世界においては再生のシンボルとして女神信仰と結びついていました。
今日のベリーダンスにおいても、”Snake Arm”と呼ばれる蛇を模した動きがあります。
ベリーダンスの歴史を紐解くと、「生命」と深く関わっていることがわかります。
だからこそ、「現存する世界最古の踊り」と呼ばれ、何千年もの間絶えることなく踊り継がれてきたんですね。
現代のベリーダンスにも、その古い形が残されていることを思うと大事に踊り継いでいきたい気持ちになります。
さて、ここまで古代地中海世界・中東世界を中心にお話をしてきましたが、ここ、日本にはベリーダンスはなかったのでしょうか?
そのことについては、次の記事「古代日本にはベリーダンスはあったのか?」で触れたいと思います。
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